前回は、GASの概要と実行方法について紹介しました。
今回は、授業でGASの実習を行うことを想定し、実習用ファイルを課題として配布する方法について紹介します。
なお、本記事はGoogle Workspace for Educationのアカウントを使用することを前提しています。
はじめに
GoogleClassroomでGASの課題ファイルを配信し、回収するまでの流れを追います。
テスト用クラスルームの概要
「GASテストクラスルーム」という名称のClassroomです。
教師1名と、生徒役のテストユーザー2名が参加しています。
課題の内容
この記事で例として配信する課題の内容です。
生徒は、配布されたGoogleスプレッドシートにコンテナバインドスクリプトを作成し、指定されたセルに自分の氏名を出力するスクリプトを記述・実行するものとします。
手順
- (教師)マイドライブの任意の場所に課題のスプレッドシートファイルを作成し、Classroomで配信する。
- (生徒)Classroomに配信された課題ファイルを開き、指示に従ってスクリプトを記述・実行する。
- (生徒)完成した課題ファイルをClassroomで提出する。
- (教師)Classroomに提出された課題ファイルを開き、内容を確認する。
課題ファイル配信(教師)
課題ファイルの作成
教師は、マイドライブの任意の場所に課題のスプレッドシートファイルを作成します。
課題ファイルの配信
教師は、Classroomの「授業」タブを選択し、「+作成」ボタンから「課題」を作成します。
課題のタイトルと詳細を入力し、「追加」ボタンの「Googleドライブ」から課題ファイルを選択し、「挿入」します。
課題を配信する前に、追加したファイルの右側のリストから「各生徒にコピーを作成」を選択します。
「対象」や「点数」、「期限」などを設定し、右上の「課題を作成」ボタンから課題を配信します。
課題の提出(生徒)
課題ファイルの受け取り
生徒は、Classroomに通知された課題から、課題のスプレッドシートファイルを開きます。
課題ファイルの編集
生徒は、受け取ったスプレッドシートファイルにコンテナバインドスクリプトを作成し、スクリプトを記述・実行します。
課題ファイルの提出
生徒は、課題を正しく実行できたことを確認して、「提出」ボタンを押します。
※「提出」ボタンを押すと、ファイルのオーナー権限が生徒から教師に移ります(後述)。
課題の確認(教師)
教師は、Classroomの課題の画面から生徒の提出状況を確認できます。
この画面から生徒の課題ファイルを開き、内容を確認することができます。
補足
配信されたファイルの所在について
配信された課題ファイルは、教師のマイドライブのClassroomフォルダ内にあるようです。
この記事の例の場合は、教師の「マイドライブ > Classroom > GASテストクラスルーム > GAS課題ファイルフォルダ」内から全生徒分の課題ファイルを見ることができます。
つまり、生徒が課題の「提出」ボタンを押さなかったとしても、教師は生徒のファイルを開いて内容を確認することができます。
※教師からはClassroomに所属する全生徒のファイルが見えますが、各生徒は自分に配信されたファイルしか見えません。
配信されたファイルの権限について
課題配信直後は教師と生徒の共同編集の状態になっていますので、教師も自由に生徒のファイルを閲覧・編集できます。
※「GASテストクラスルームの担任教師」という謎のユーザーがいます。自動で追加されているようです。
なお、上でも述べましたが、生徒が課題の「提出」ボタンを押すと、ファイルのオーナー権限が生徒から教師へと移るようです。
生徒が一度提出した課題を修正したい場合は、教師にリクエストを求めるか、Classroomの課題のページで「提出を取り消し」ボタンを押す必要があります。
終わりに
Google Workspace for Educationのアカウントを使用してGASの課題を配信・回収する手順を紹介しました。PC教室のファイルサーバーに配置するのと近い感覚で実習ファイルを配信できるのではないかと思います。
次回は、GASを用いたプログラミング実習について検討します。